UVLED照射器と紫外線ランプの設置位置
当社のUVLED照射器はお客様の要望に応えたカスタマイズ設計が大部分です。カスタマイズ設計の中でもUVLED照射器をどのように設置すれば有利かを説明します。
その内容からUVLED照度についての理解をいただければ幸いです。
UVLED照射器は小さなUVLED素子(チップ)を並べて設計していくことを念頭において下さい。すなわちたくさんの点から発光するということです。
一方 紫外線ランプは1つの点から発光しますのでミラーやレンズを使ってできるだけ必要な範囲に光を効率よく照射させる構造が必要になっています。またランプそのものが熱いので熱線カットフィルターも取り付けます。従ってサンプルとの距離(WD)を大きくとって設置することが通例です。露光、印刷、液晶関連でもランプを離したところに設置しています。その習慣からかランプからUVLEDに置き換えをする場合も必要以上に距離(WD)をとる例がありますがそれはUVLEDの効率を下げてしまう結果となります。
照射器とワークとの距離(WD)によりUVLEDの必要数が変わってきます。
元来、UVLEDの光の広がりは平行ではなく角度がついているので、その広がり角度を考慮すると、距離(WD)が離れていると狙った範囲へのUVLEDパワーの到達率が低くなります。UVLEDのパワーが薄まるということになります。
UVLED照射器とサンプルとの距離
UVLEDの光の広がりは平行ではなく角度がついていることを先に述べましたが その角度は指向角と呼ばれ、
単位は度(°)で表わされます。
通常は120度で、別にレンズ付きで60度のものがあります。
当社では60度の指向角のタイプを使います。その方が照度の拡散が少ないので必要な範囲に到達する割合が増えます。
もう少し照射器とワークの距離がいかに重要かをご説明します。
サンプルとの距離が近い場合
指定された照射範囲よりほんの少し大きく照射器(発光部)を作ることでサンプルに均一な照度を与えられます。
ライン照射の場合でも面照射の場合でも距離(WD)が近いとUVLEDの配置されている端部のパワーは必要としている範囲に照射されますので必要範囲より少し広い範囲にUVLEDを並べるだけでサンプルに均一な照度を与えます。LED素子数が少なくて済み効率的です。
サンプルとの距離が遠い場合
指定された照射範囲よりかなり大きく照射器(発光部)を作ることでサンプルに均一な照度を与えられます。
ライン照射の場合でも面照射の場合でも距離(WD)が大きいとUVLEDの配置されている端部のパワーは必要としている範囲の外に照射されますので必要範囲よりかなり広い範囲にUVLEDを並べる必要があるのでLED素子数が多く必要になります。
以上のことからUVLED照射器を検討いただく場合はサンプルとの距離(WD)が近いほうがLED数が少なくて済み効率的だと言えます。