凹凸のある対象物を観察するとき・対象物を斜めから観察するとき
マイクロスコープで凹凸や斜面のある対象物を観察するとき、ネジ穴などを斜めから観察するときなどは、画像の一部にしかピントが合わず、他の部分がぼけた画像になってしまいます。これはレンズの被写界深度といって、ピントの合う範囲が限られているからです。倍率が高くなるほど、被写界深度の範囲は浅くなるので、全体にピントが合った観察が難しくなります。
一部にしかピントが合っていない画像では
- *対象物の全体の状態(形状、表面状態、色の分布)がわからない
- *バリなどの凹凸のある異物を確認しづらい
- *対象物に傷があった場合、どの程度の長さの傷なのかわかりにくい
- *不良品の報告書に、画像として添付してもわかりにくい
等の問題があります。
それを解決するのが深度合成・画像合成機能がある画像計測ソフトです
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スコープ
対象物 -
対象物のイメージ
このように凹凸のある対象物をマイクロスコープで真上から観察すると対象物の頂上しかピントが合わないことがあります。
スコープの位置を少しずつずらしながら、ピント位置の異なる画像を何枚か取り込んでいきます。
あとは 画像ソフトがピントの合った部分を抽出し、全体にピントの合った画像を自動的に作成してくれます。
あとは 画像ソフトがピントの合った部分を抽出し、全体にピントの合った画像を自動的に作成してくれます。
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スコープ
対象物
深度合成処理により 全域でピントの合った画像が完成。
実際の画像で確認してみましょう
高さの異なる部品が実装されている電子基板での深度合成・画像合成例
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①一番背が高い部品上部にピントを合わせた画像
②左下と右側の部品にピントを合わせた画像
③底部の基板にピントを合わせた画像
- 全域でピントが合った画像が完成
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①ネジ穴の右側端面にピントを合わせた画像 -
②ネジ穴の左側端面にピントを合わせた画像
③ネジ穴内部にピントを合わせた画像
④ネジ穴内部奥にピントを合わせた画像
- 全域でピントが合った画像が完成