紫外線硬化には大きく分けて、紫外線ランプと紫外線LEDの2つの照射器があります。
紫外線ランプに対しては、近年紫外線LED照射器への移行が顕著になってきています。
ただ、紫外線LEDではタックが残るという問題点があります。
特に透明なUV硬化樹脂に多くの現象が残ります。
タックが残るというのはUV硬化後、硬化した表面を指で押すと指紋がついて残るような粘着感がある状態を指します。
このタックが残る原因は酸素阻害(硬化阻害)といわれています。
つまり酸素が邪魔して表面の硬化が十分でない状態で硬化を終えてしまう現象です。
従来から酸素阻害(硬化阻害)をなくすために窒素雰囲気(窒素パージ)を作り出してその中で紫外線の照射を行い酸素阻害(硬化阻害)をなくす方法がとられています。ただこの方法には費用と手間がかかるのですが、ほかに方法がないので仕方なく採用しているのが実情です。
樹脂によっては300nm以下の波長を照射することによりタックを取り去る方法も実証されています。特に紫外線ランプでは300nm以下の波長成分を出すタイプがありますので有効です。ただ、紫外線ランプにはいろいろなデメリットもあり、UVLEDでできないかという要求は以前からありました。
UVLED照射器で280nmの波長で、ある程度高い照度を当てることにより、窒素パージなしでタックを取り除くことができることを当社の実績として出すことができました。
280nmの波長で150mW/cm2程度の照射器を作りテストした結果です。
UV硬化樹脂の種類によりますが 今後タックが取れないとお困りの際はご相談ください。