先日、怪我をして絆創膏を用意したところ、結構血が出ていたので、染み出ないように防水の絆創膏を貼りました。
普通の絆創膏と、防水仕様とでは、どう違うのかなと思い、拡大観察をしてみました。
使用機材:DS-400Cマイクロスコープ、、2倍アダプタレンズ、レオパード計測ソフト
普通の絆創膏
防水仕様の絆創膏
50倍で観察
まず、50倍で観察しました。
通常の絆創膏には小さな穴らしきものが、一定間隔であいているようです。
防水仕様の絆創膏には、穴は見当たりません。
所々に丸い穴のようなものが見えます。
穴らしきものは見えません。
200倍で観察
次に、200倍にして観察してみました。
通気の穴でしょうか? 防水仕様の絆創膏にも、何か点らしきものが見えてきました。
- 穴が大きく見えてきました。
- 小さな点のようなものが見えます。
450倍で観察
次に、一気に450倍まで上げて、観察してみました。
通常の絆創膏の穴には、なにかシワのようなものが見えます。エアパッキンのプチプチをつぶした後のような印象です。
防水仕様の絆創膏にも、非常に小さな穴がいているようです。
- 穴がかなり拡大されました。
- 小さな点が穴に見えてきました。
600倍で観察
マイクロスコープの先端の対物レンズを、2倍レンズに交換し、600倍で観察してみます。
倍率が高くなると、焦点深度といって、ピントの合う範囲が浅くなるので画像合成機能を使って全域でピントが合うようにしました。
*詳しくは「深度合成・画像合成とは?」を参照してください。
通常の絆創膏の穴の中には、何やら細い繊維が一杯見えました。
防水仕様の絆創膏も穴の中にシワのようなものが見えるので、繊維だと想像します。
- 穴の直径を測ってみたら約0.54ミリ(540ミクロン)ありました。
- 穴の直径は0.08ミリ(80ミクロン)と非常に小さいものです。
通常の絆創膏は、繊維に覆われた通気用の穴が大きめに開いており、傷口が蒸れることを防いでいると思われます。
一方、防水仕様の絆創膏は、水や血液などの液体の出入りが無いように防水するとともに、多少の通気を行うために、非常に小さな穴を、最小限用意していると想像できます。
通常の絆創膏の繊維を見て、前にも見た画像を思い出しました。
不織布マスクです。とても良く似ています。
600倍で、画像合成を行った繊維の拡大画像です。
*詳しくは「マイクロスコープでマスクの観察」を参照して下さい。
不織布のマスクは、外からのウィルス侵入を抑制し、咳などの内側からの飛沫を外に漏らさないように抑制する効果があります。そのうえで、呼吸も確保する通気性を持っています。
絆創膏も、マスクと同じで、外からの菌の侵入を抑制し、通気性を確保する機能を持っているのですね。
とても良くできでいます。
説明書を読むと、素材自体にもいろいろ工夫がされているようです。
今更ながら感心してしまいました。