年末の行事というと、大掃除を思い浮かべる方が多いと思います。
部屋の掃除や窓ふきなど大変ですが、少しためらってしまうのが網戸の掃除かもしれません。
一軒の家に何枚も網戸があるので頑張って綺麗にするか、来年に持ち越すか、毎年悩みの種ですね。
網戸を拡大観察
今回は、網戸を拡大観察してみました。
使用機種:DS-330HDフルハイビジョンマイクロスコープ
掃除をしようと思ったら、穴が開いていたので、新しい網に交換という方もおられますね。
新品の網目を観察してみましょう。ツルツルした感じで綺麗です。
60倍
180倍
次は、1年間掃除をしていなかった網戸を観察してみます。(同じメーカーの網ではないので、網目の大きさは少々異なります。)
昨年末に掃除をした網戸です。大雨で汚れが流されることはあっても、小さなゴミがこびりついています。
さらに拡大して見て見ましょう。
画像計測ソフトレオパードを使いました。
フォーカス位置を変えながら、静止画を3枚取り込み。
取り込んだ画像に対してレオパード計測ソフトを単体で起動させて画像合成を行いました。
-
270倍 - 420倍
2年、3年と掃除をしていないと、もっと沢山のゴミが網にびっしりと付着するのではないでしょうか。
網戸のゴミをコンタミ検査してみる
どのくらいの大きさのゴミが付着しているのか、計測してみましょう。
DS-330HDマイクロスコープで保存した画像に対して、レオパード計測ソフトを使用してみました。
レオパード計測ソフトには、オーバーレイチャートという機能があります。
倍率を選択してから、オーバーレイチャートから Rect Area機能のプロパティを選択します。
選択した倍率のデータは、自動的にRect Areaの計測機能に反映されますから、すぐに寸法計測が可能となります。
設定画面が表示されたら、縦横任意の値を入力します。
とりあえず、縦横0.1mmの値を入力してみます。
そして、計測値が小数点以下2桁で表示されるように設定してみます。
縦横0.1mmのマス目が表示されました。
中心の白マークをマウスで掴むと、マス目全体を移動させることが出来ます。
計測したいゴミの所まで移動させます。
次にマス目の周りにある白マークをマウスで掴んで、ゴミ全体を囲うように調整します。
これによって、ゴミの大きさは、 縦0.21mm横0.09mmであることがわかりました。
1mm以下のゴミだと、手に付着してもわかりにくいですし、知らない間に吸い込んで
しまう可能性もあります。年1回はきちんと掃除をしたほうが良さそうです。
さて、この手法はコンタミ検査と言って、残留物の検査を行う方法にも適用できます。
「マイクロスコープでできるコンタミ(残留異物)簡易検査」をご参照ください。
製造業や研究機関などが、生産・研究現場における洗浄度を検査する方法として、残留物の大きさを計測して、規定値以内の大きさかどうかを確認する検査です。
専用の自動検査装置を用いらず、このような手動による簡易な方法となりますが、意外と簡単に、しかも安価で検査・判断ができます。
マイクロスコープと寸法計測ソフトを応用しているので、不良品の解析や異物混入確認など、幅広い用途で使用していただくことが出来ます。
*今回はDS-330HDマイクロスコープに搭載されているSDカードに画像を何枚か一旦取り込んだ後で、SDカードをパソコンに接続し、レオパード計測ソフトで計測作業を行いました。
当社のパソコン直結のマイクロスコープDS-400Cだと、レオパード計測ソフト上で動作するので、さらに便利です。