BGAの半田ボールの観察において周囲の1列目の半田接合部を観察することは重要ですが奥の列の半田ボールの状態を観察したいとの要求も多くあります。
そのような場合、オプションのバックライトシステムを使って奥の半田ボールの観察をすることができます
半田ボール1列目の観察
BGAスコープにはLED照明が内蔵されているので、BGAパッケージの真横に置けば1列目のBGA半田ボールに照明が当たり、ボールの状態の観察をすることが出来ます。
MS-1000A-EXの倍率を一番低い70倍にして使用すると、ピントの合う範囲が、やや深くなります。
ただ、BGAパッケージ内の確認となると、BGA半田ボールは右上のイラストのように格子状に並んでいるので、BGAスコープに内蔵された照明だけでは1列目のボールによって照明が拡散されてしまいます。そのために2列目以降のBGA半田ボールに光が届かず見えません。
半田ボール2列目より奥の観察、解析
バックライトシステムBL-SYSTEM-01は、BGAスコープとは反対側のパッケージ側面から照明を入れて、パッケージ内を観察するオプション照明です。パッケージ内全体を明るく照らすのではなく、半田ボールの背後から照明を当てて、まるで影絵のようにBGA半田ボールのシルエットを出させることにより、内部の状態を確認していきます。
BGAスコープの反対側からバックライトシステムの照明を当て、パッケージの奥を観察
バックライトシステム BL-SYSTEM-01
(構成:LED光源装置、ファイバーライトガイド、バックライトプリズム、スタンド)
BGA半田ボールが格子状に並んだBGAパッケージでは、1列目のBGA半田ボールが2列目以降のBGA半田ボールを遮ってしまいますが、下のイラストのようにBGAスコープを少し横に傾けて斜めごしから観察するようにすれば、奥のBGA半田ボールの状態も確認しやすくなります。
BGA半田ボールの大きさにもよりますが、3~4列目までの観察が可能になります。
実際のBGA半田ボール不具合の例
バックライトシステムを使うことによって、BGA半田ボールの接合状態(=フィレットの形成状態)、位置ずれ、変形を確認することができます。
また、バックライトの照明は、通常、半田ボールと半田ボールとの間を貫通するはずですが、遮蔽されている場合はブリッジが疑われます。
左奥に異物
ブリッジ(バックライト貫通せず)
斜めに実装
左奥に異常(ブリッジの疑い)
1列目左上部に異常
奥のフィレットに異常
参照
半田ボールのフィレットとは:はんだと母材が接する接合部に滑らかに広がる裾広がりのカーブのこと。
半田付の出来栄えを判断する基準となる。