紫外線LEDをご検討の際に大事なこと

紫外線硬化する樹脂、ガスケットなどの反応がいいLEDの波長を知ること

波長は365nm, 385nm, 395nm, 405nmのどれでしょうか。2波長の混合でしょうか。
一般的には厚みのある接着剤の場合、深部には長波長が有効です。
405nmをはじめに照射して、その後365nmを照射する手法もあります。
365nmより短い波長の紫外線LEDも最近コストパフォーマンスが改善され、市場に出る段階となりました。
当社では 波長280nmのライン型照射器で照度150mW/cm2の製品もあります。280nmの光により、従来問題となっていた酸素阻害をなくすことも実現しております。

どれくらいの積算光量で硬化するか

たとえば200mW/cm2の照度を20秒間あてると、

200mW/cm2 x 20sec = 4,000mJ/cm2

です。1,000mW/cm2を4秒あてても4,000mJ/cm2です。
どちらも同じ効果かどうかは硬化させる材料により多少の違いはでます。
また、4,000mJ/cm2でも405nmを2,000mJ/cm2あてて、365nmを2,000mJ/cm2あてて、合わせて4,000mJ/cm2ということも考えられます。
材料メーカーに尋ねるか、実験するかの方法で解決します。

どの個所に照射するか、照射したい形状は?

フラットな面ですか、その場合サイズはどうですか。
ライン形状ですか。長さと幅は?
スポットですか?何mmφ?あるいは何mm角

どれぐらい近くまで照射器を置けますか

紫外線LEDの光は通常120度で広がります。
ですから近くに設置する方が紫外線LEDの光は強く、離れれば離れるほど紫外線LEDの光は弱くなってきます。
照射器とサンプルとの距離のことをWorking Distance(略してWD)といいます。
WDが何mm必要であるかは照射器を選ぶ際にとても重要です。

どのような方法で照射しますか

大きく分けると2つの方法があります。

バッジ式:サンプルを動かさずに照射します。スポット照射や面照射に多く使います。
たとえばφ20mmを6,000mJ/cm2あてる場合、当社ではUVT20で300mW/cm2を20秒間照射します。


コンベア式:サンプルか照射器が移動して照射します。
移動スピードと照射器の長さ、照射器の照度でUV照射の積算照度が決まります。
たとえば同じφ20mmを20秒で6,000mJ/cm2あてる場合はこのようになります。
20mm/秒のコンベアにワークサンプルを乗せ、上から400mmx25mmで300mW/cm2の照度の照射器で照射すると6,000mJ/cm2の積算照度を照射できます。

計算方法は:
400mm ÷ 20mm/秒 = 20秒 サンプルは20秒間照射器の下を通過します。
20秒 × 300mW/cm2 = 6,000mJ/cm2

コンベア式の方は400mmx25mmの照射器とコンベアが初期コストとして発生します。
ただ、φ20mmのサンプルを20mmの間隔でコンベアに置いたとすると、2秒ごとに製品が出来上がります。
どちらを選択するかは、形状、量産の数、形状の種類、希望タクトタイム、コスト、などの要因を整理して検討が必要です。

紫外線の波長

紫外線の波長には、紫外線A320~400nm,紫外線B290~320nm,紫外線C200~290nmとあります。
UVLEDは紫外線Aの帯域で製品も多く照度とコストを比べて効率の高い製品が増えています。
一方、紫外線B,紫外線Cの重要性は以前から知られておりましたが、コストパフォーマンスが紫外線Aの製品と比べてまだ低い状態です。ただUV硬化において280~310nmの帯域は重合反応がよく将来は有望な波長となります。
また、紫外線Cは殺菌用途として期待される波長です。